「真理はあなたたちを自由にする」  08.06.01
                      ヨハネ福音書 8:31〜38

 主イエスはご自分の前にいる者に向かって「真理はあなたたちを
自由にする」とおっしゃいます。この主イエスの言葉は、学校に掲げ
られることがあります。また、この御言葉を元とする言葉が日本の
国立国会図書館を定めた法律の文章中に文言に取り入れられ、
図書館のカウンターに掲げられています。学問によって得る真理は、
人を迷信や誤解から解き放ち自由にします。しかし、主イエスは
学問を勧めているのではありません。後に「わたしは道であり、
真理であり、命である」とおっしゃいます(14:6)。ですから、真理で
ある主イエスご自身が、ご自分の前に集う弟子や私たちを自由に
するとおっしゃっているのです。
 それでは、何から自由にしてくださるというのでしょうか。
 主イエスは、創造主なる神さまの私たちへの愛を明らかにするこ
とによって、迷信からの自由を与えてくださいます。共にいてくださる
主イエスに励まされることで、世の闇や悪に縛られず、自分だけで
なく隣人を愛する自由な生き方を始めます。
 その時、人々は、自分が何かに縛られているとは思っていません
でした。自由に生きていると思っていたのでしょう。しかし、人間の
姿を見抜く主イエスは「罪の奴隷」となっていると指摘します。
 神さまに背き、人を生かすことができない罪の奴隷は、神さまの
もとにいられず、罪ゆえの死と滅びに至るのです。罪の奴隷は、
父なる神のもとには行けないのです。
 十字架にかかり復活された主イエスは、私たちを、罪と死と滅びに
縛られないで、そこから自由にされて、神さまのもとに行くことが
できる者としてくださいます。
 「真理を知る」というのは、「真理である主イエスをすべて理解する
こと」ではありません。「主イエスにつながる」ことです。枝が木に
つながるように、枝である私たちは木である主イエスにつながるのです。
 その時、木が枝に養分を送り、枝をいかすように、主イエスが
私たちに命を与えてくださり、私たちを滅びでなく神の民の命に
生きるものとしてくださいます。